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平日の昼下がり、ゲーセンにでも行くかと俺は電車に乗り込んだ。
私鉄の単線、完全なベッドタウン用の路線は昼間の利用者はほとんどいない。
一車両に誰一人乗っていないことなどザラだ。
「うっひゃー涼しい!」
こんな独り言をしても誰もいやしない、外の炎天下を抜けての冷房はまた格別だ。
「涼しいですか、それはよかった」
「いぃっ!?」
驚いて変な声を出してしまった。声の主を探しても車内には誰もいない。
「こっちはもっと涼しいですよ」
声に振り返ると車両連結部に少女が一人立っていた。
年は高校生くらいか、身長は低く少し高い声での丁寧な口調が少し変な感じもする。
ショートカットで髪は黒、セーラー服を着ていて鞄を両手で身体の前に持っている。
「あー、狭いし、遠慮しておくわ」
苦笑気味に俺は答える、こんな時間にいるってことは不良少女なのかなと思う。物腰や見た感じからはそうは見えないのだけれど。
「それは暗に私が太目だと言っているのですか?」
その口調に特に感情はこもっていない、ただたんに疑問に思ったから口に出してみたといった口調だ。
「いやいや、そんな事はないよ。俺汗かいちゃってるからさ」
胸元に風を送りながら答え、少女に一番近い席を選んで座る。
「汗をかいてるならなおさらここに来るべきだと思うのですが?」
少し首をかしげながらそう言う少女、ちょっと可愛いかなと思う。でもちょっと考えが一般人とズレているような気もする。
「遠慮しておくよ」
「それじゃ、私がそっちに行きますね」
そう言って少女は小走りに俺の隣の席へと座る。少女はじっと俺を見上げているようだ。
気になってちらりと横を見る、まずい、目があった。
そのまま一分は見つめあっていただろうか、はたから見たら付き合っていると思われても仕方ない状況だ。
「どうですか?」
「は?」
「涼しくなりましたか?私ずっとあそこで涼しんでいたので、ちょっとはおすそわけできたかなと思っているんですが」
「あー、確かに涼しくなったかも」
実際はそうでもないのだけれど、ここで少女の好意を踏みにじることは出来ないだろう。
「それでは、私はここで」
電車がとある駅に着く、確かこの駅には名門の女子高があったはずだ。ってことはこの少女はそこの生徒なのか?
「ん、勉学にいそしめよ」
この時間に登校している人間に言う台詞ではないと思うが、それ以外考えつかなかったのだからしょうがない。
「頑張りますよ。今日は盛大に寝坊してしまっただけなのでいつもは7時30分くらいに乗ってますからね。それと、自己紹介がまだでしたね。私の名前は小杉千華(こすぎちか)です。それでは」
少女は軽く頭を下げて電車を降りていった。
千華ちゃんか、ちょっと変わってるところもあるけど可愛くていい子だったな。
あれ?でもなんでいつも乗ってる時間を教えてくれたんだろう。
もしや俺に気があるのか?いや、まさかな。

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