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80=124さんの作品

「さて、第二の質問へ行きましょうか」 「かもん米べー」
英語をひらがなと漢字で発音できちゃってる点には触れないでっと。
「この炊飯器どうしたんですか?」 「……メアリーに興味があるの?」
炊飯器なのに外国の名前で女性なんですか。それは驚きだ。 是非とも命名理由を尋ねたい。深い意味は無さそうだけれど。
「この脚線美に魅了されたと見える」 「いや、足なんて無いですよ。この炊飯器」 「……心が穢れているのね。可哀想な人」

何故だろう、当たり前の事を言った筈なのに物凄く自分が哀れに思えてきた。 つまりあれなのか。純粋な人にしか見えないという妖精的存在なのですか、炊飯器の足は。
「自称、純粋無垢な穢れ無きピュアなハートの持ち主なのにね……」 「その目は止めてっ! どんどん自分が惨めになっていくっ!」
まだ俺の恥ずかしい台詞を覚えていたとは。……もう泣いてもいいですか?
「分かりました、その炊飯器の事はもう尋ねません」 「さっきから違う。炊飯器じゃなくてメアリー」
おお、メアリー、メアリー。どうして貴方はメアリーなの。
「……メアリーの事はもう尋ねません」 「そういって、また私に隠れてメアリーと会うのね!」 「……」 「あの日、もし私がメアリーと貴方を会わせなかったら……こんな事にはならなかったのに」 「違うっ! 俺は彼女と出会えたからこそ自分の本当の気持ちに気がついたんだ!」 「で、でも貴方はメアリーの事を……」 「違いますよ、俺が本当に愛しているのは……って、ちょっと待てぃ!」
話が脱線しまくってる上に俺と先輩と炊飯器の三角関係が発生してたぞ。 何だこの展開は。危うく先輩に告白するところだったぞ。話を戻さねば。
「あー、で、結局そのメアリーは何処で買ってきたのですか」 「人身売買?」 「……」 「炊飯器の事ならお米部の予算で買った」

もしもし、メアリーさんは何処へ行ったのでしょうか。……帰国? 炊飯器萌えのブームが終わったという解釈でいいのだろうか。ん、そういえばお米部の予算?
「予算なんてあるんですかっ!?」 「ほら、私って何でもありだから」
それは本人が言っちゃいけない事だと思うんだ。何でもありだからいいけど。
「そろそろ第三の質問を。敵同士って何ですか。初耳ですよ?」 「んー、違うよ。今は同盟を結んだから仲間」 「今は置いといて、前は何故に敵同士?」
と言うか、同盟なんて結んだのか、俺。そういえば適当に了解してたかも知れん。
「……何でだっけ?」 「覚えて無いのに敵認定だったのですか」
レベル的にはどの辺りだったのか聞いてみたかったのに。 まあ俺のレベルから冷静かつ客観的に考えるとスライムさんと、ゴブリンさんと、クリボーさんが同僚ってとこだろうな。 あれ、自分で言ってて悲しくなってきた。
「君は花粉で、友達じゃなくて敵で……」 「俺って脳内でどんな扱いを受けているんだ」
微妙といえば微妙な関係だし、仕方が無いか。しかし、せめて友達扱いぐらいのレベルには達したいものだ。 恋人なんて間柄は無理だとしてもな。よし、ちょいと大胆に攻めてみるか。
「シュー先輩は俺の事をどう思ってるんですか?」 「現在は同盟関係にある元敵」

根っこから問題ありまくりだな。せめて可愛い後輩と呼んで欲しかった。 ……って、待て待て。可愛いは恥ずかしいから却下だ。 困ったな、しかし俺はここで引き下がる様な男ではないっ!!
「友達にはなれませんか?」 「……友達?」 「そうです」 「それは……分からない」
あれ、今の微妙な間は何だ。
「では逆に聞きます。俺が友達では嫌ですか?」
おい待て、何を言ってるんだ俺。先輩の様子がおかしいのに気がつかないのか?
「それは……」
今までに見た事の無い表情を浮かべる先輩。さっきまでの調子が感じられない。
不味いな、調子に乗り過ぎたかも知れない。……止めよう。 先輩はただ先輩なのであって、部活をしているだけなんだから。 先輩にとってはただそれだけなのだから。例え俺がそれだけだと思わなくなり始めていたとしても。
「あ、話してばかりで折角のおにぎりを一口しか食べてませんでした」 「……」 「やっぱり美味しいです。ん、具無しの米100%なんですね!」 「……」 「あ、あー、どんどん食べようかなー、なんて言って……みたり?」 「……」

迂闊、軽率。そんな後悔の念で体がすっと冷える。あの先輩が沈黙してる。 唐突にクーの言葉を思い出す。「あまり友達には恵まれていない」と。 「彼女を悲しませるな」と。俺はそう言われたんだ。 どんな人間にだって触れられたくない部分があるのだろう。『友達』と言うキーワード。 それは俺が気付かぬ内に先輩の傷を開いてしまったのかも知れない。
「……ごめんなさい」
相変わらず先輩の返事は無い。当たり前か。俺はしてはいけない事をしたのだから。クーとも約束したのに。 でも嘘はつきたくない。適当にお茶を濁す事も今はしたくない。だったら俺は……そのままの自分の気持ちを伝えよう。
「俺はシュー先輩が好きです。だからもっと先輩の事を知りたいし仲良くなりたい。  こんな俺だけど、真面目に……真剣にそう思ってます。  だから友達になりたいんです。勿論、敵でもなく。ただの先輩後輩でもなく」
沈黙がその場を包む。暫く待っても、やはり返事はなかった。駄目なのか。俺の想いは伝わらなかったのだろうか。
「……ぐうぐう」 「はい、そうですよね。ぐうぐうですよね。……ぐうぐう?」
あー、あの、これはもしかして。
「えーっと、もしかしてもしかすると……眠ってらっしゃる?」
しまった、先輩はこういう人だった。完全に忘れてた。にしても何時の間に眠ったのでしょう、このお方。
「起こした方がいいよな?」
何時もと違って今日は昼休みだし、布団の上で食事の真っ最中な訳で。 このまま眠らせておく訳にも行くまい。しかし、まあぐっすりと眠っている事で。寝不足なのだろうか。

「あ、さっきの話、聞かれてないよな!?」
よく考えたら好きだとか、とんでもない事を口走ってた気がするし 聞かれてたら、そりゃあもう大変な事になってただろう。俺の心臓とかが。
「ま、何一つ嘘じゃなくて本心からの言葉なんだけどな」
でも今後は友達だの言うのは止めよう。噂が本当なのか嘘なのかはともかく、あんな顔の先輩はもう見たく無い。 やっぱり先輩には笑っていて欲しい。それに俺なんかが深入りしていい事じゃない。 俺はただの後輩なんだ。……ただの後輩なんだ。自分に言い聞かせる。 もうこれ以上は触れないようにしておこう。気にならないと言えば嘘になるがな。
さて、では起こしますか。眠れるお米のお姫様を。
      ◇ ◇ ◇
ちなみにだ。必殺技ではなく、今度はきちんと起こしたら起き攻めかと 言われて強烈なカウンターを食らいそうになったり 何個かおにぎりを食べていたら、得体の知れないものが具に入っていて またもや「孔明の罠か!」と叫ぶ先輩に 「何故、黒々しいドロッとした形容しがたい何かを入れるのですか!!」と反撃。 「なら、食べるしかないじゃないかっ!」とか訳の分からない事を言われたので 「冗談ではない!」と返してみたりした事は俺と先輩だけの秘密だ。 ……いや、結局食べたけど。なあ一体あれは何だったんだ。教えてくれ、誰か。

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